地震がありました

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「ばかな・・・!なぜこんなことに・・・!!」
事の始まりはあの地震でした。


俺はその時昼寝をしていました。揺れですぐに目が覚めたんですけど、「このぐらいの揺れなら余裕だな!」ってなぜか思ってしまい、二度寝してしまいました。しばらくして目が覚め、「そういえば結構でかい地震だったジャン!?」と起き抜けに思い出し、必死でめがねを探したその時、事件は起きたのです。
カシャン、とめがねに指先が当たった感触がした次の瞬間に、カシャカシャカシャ・・・!と乾いた音がしました。イヤな予感が脳裏を横切る。予想は的中しました。めがねはベッドと壁の微妙な隙間に落ちてしまったのです。


「くそっ、とれない!とれそうでとれないよ!ああもう!」
右腕を隙間に突っ込んで奮闘する俺。めがねのツルにはさわれるのにそれをつまめないこの非情な距離。
「めがねのくせに生意気なんだよ!このやろう!!」
ってことで無理矢理めがねのツルをつまむことには成功しました。良くやった俺!!よし。後はこれを引っ張り出せば・・・。
・・・!?なんだ、腕が抜けない!どうしたことか!あれか?俺の部屋ん中に住んでる妖精とか妖怪とかそういった類のものが腕を引っ張ってるのか!?それとも誰かがトラばさみを・・・?
一瞬あれこれ考えたんですが、すぐ分かりました。
「そうか、これが猿と瓢箪の原理か!!」


説明しよう!猿と瓢箪の原理とは、猿が瓢箪の中にあるエサをとろうとして腕を突っ込んだ際、エサをつかんだ拳が邪魔で瓢箪のクチから手が抜けなくなって大騒ぎのアレのことである!ちなみにエサを離せば手は抜ける!所詮は猿!


ということは分かったんですが、この状況ではめがねを離して手を抜いても意味がないので、頑張りましたよ。俺。
「んんぬぬぅぅぅぅ・・・!!
ぅうおりゃあああ!!!」


結局腕は抜けず、ベッドをずらして普通にめがねを拾った俺がいましたとさ。