ちょっと切ない

数年ぶりに劇場版のドラえもんをみました。新聞のテレビ欄を見て、声優陣が総入れ替えされることをおもいだしたので。



小さい頃、それこそ物心つくかつかないかの頃から、祖父や祖母に連れられて映画館におもむき、はしゃいでいたものです。中学校に入学し、ドラえもんのようなアニメ映画を見に行く事が無くなると、「ストーリーが盛り上がるところでは座席から飛び上がって喜ぶので、恥ずかしい思いをしたよ」なんてよく祖父母にからかわれました。そんなときは決まって「俺だって、じいちゃんがイビキかいてて恥ずかしかったよ」と言い返したのですが、イビキをかくほど退屈でも孫につきあってくれてたんですね。


最近は昔のドラえもんを見返す機会が無いので何とも言えないのですが、ずいぶん雰囲気が変わった気がしました。ドラえもんスネ夫君はあまり違和感なかったけど、のびた君は泳げるし、ジャイアンは優しいし、しずかちゃんはセクシーになってるし。俺のなかでのドラえもん像はだいぶ古くさいものなのか、のびた君はもっと不器用で弱っちいし、ジャイアンはもっと強引で乱暴だし、しずかちゃんはイモっぽいカンジです。スネ夫君ももう少し卑屈ですね。いつもジャイアンの背中に隠れてたイメージがありますから。
しかしこれらのマイナスイメージがあったからこそ、のびた君が勇気を出す場面には身震いし、ジャイアンスネ夫の友情に感動し、しずかちゃんの女の子らしさにドキッとしたりしたのではないでしょうか。特におフロシーンに。だから今のドラえもんではキャラクターやストーリーが薄く感じられて、『何となく』作られちゃってる気がしてなりませんでした。


時代の波には逆らえないところもあるのでしょう。ジャイアンが昔のままに暴れてしまえば、現代のいじめ問題につながってしまったりするのかもしれません。最近のはやりだと主人公はよりかっこよく、万能なのかもしれません。しかし「それでもやっぱり昔のドラえもんの方が面白かった」と感じるのは、もうそれだけで別世代、ってことなんでしょうかね。



ああ、ちなみにしずかちゃんがよりセクシーになってもそれはそれで。 あと個人的にはあのジャイアンシチューだけは後世に語り継ぐべきだと思います。マジで。ジャイアンの気風のすべてを表しています。



ついでっぽいですが、ドラえもんの声優さん5名の方、お疲れさまでした。ただの一ファンですが、本当に楽しませて頂きました。ありがとうございました。